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今後オプジーボを超えるか?中国医薬品企業Beigene(ベイジーン)を徹底解剖【企業研究】

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今回は、抗PD-1抗体で近年一躍有名になった中国製薬会社Beigeneについて研究していきます。

抗PD-1抗体は、免疫チェックポイント阻害薬のなかでも有名な抗体の1つです。PD-1は免疫細胞の表面にありますが、がん細胞の表面にあるPD-L1と結合すると免疫細胞のがん細胞に対する攻撃は抑制されます。しかし、この抗PD-1抗体が働くことで、免疫細胞の活性化が維持されます。

詳細についてもっと知りたい方は、以下のリンク(特にがん免疫療法の項目)をご参照ください。

抗PD-1抗体を製品化した有名なものとして、小野薬品工業&ブリストル・マイヤーズの「オブシーボ」やMSDの「キイトルーダ」が挙げられます。

目次

Beigene(百済神州、ベイジーン)

正式名称;百济神州(北京)生物科技有限公司

Beigeneは2010年に設立された製薬会社の中では若手ですが、新興中国企業さながら非常に活発な動きを見せています。

抗PD-1抗体Tislelizmabを中国で19年に承認されたのち、グローバル治験を積極的に行っております。

(ところで、Tislelizumabってティスレリズマブ?チーズリズマブですか?チスレリズマブですか?)

本社概要

本社中国北京市昌平区
従業員数5200名強
設立年月日2010年
資本金$4,671(USドル、百济神州(香港)生物科技有限公司100%出資)
オフィス中国、アメリカ、オーストラリアなど
日本オフィスなし [2021年7月9日追記]あり。BeiGene Japan合同会社が2021年1月22日に東京都世田谷区にて設立済み。
上場先Nasdaq(証券コード:BGNE)HKEX(証券コード:06160)
ウェブサイトhttps://www.beigene.com/?loc=global

これまでの合計資金調達額は40億USドル強というツワモノな企業。

完全に余談ですが…

Beigeneのウェブサイトは、「グローバル用」「アメリカ居住民用」「カナダ英語話者用」「カナダフランス語話者用」「ヨーロッパ地域居住民用」「中国語話者用」と、同じ英語でも居住区域によって誘導サイトが異なっております。

ここから、如何にグローバルへ力を入れているか垣間見ることが出来ます。

事業内容

分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬といったがん免疫薬物療法の新しい抗癌剤における研究開発

[6月26日追記 ベイジーンの最新ニュースについて下の記事でもまとめています。]

上市された医薬品

  • BTK阻害薬,Zanubrutinib(アメリカと中国にて上市)
  • 抗PD-1抗体,Tislelizumab(中国にて上市)

など 現在中国にて7製品上市、アメリカにて1製品上市

Tislelizumabの売上は2020年で約1億USドル。

パイプライン

  • Zanubrutinib BGB-3111, BTK
  • Tislelizumab2 BGB-A317, PD-1
  • Pamiparib BGB-290, PARP
  • Lifirafenib BGB-283, RAF DIMER
  • Ociperlimab BGB-A1217, TIGIT
  • BGB-A333 PD-L1

など50品目以上

アムジェンやCelgene International Sàrl、ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)、EUSAファーマからライセンスインを受けて、中国にて承認&上市を目指しています。

ちなみに、2021年5月31日公開分の治験情報によると、日本ではベイジーンの第3相治験が7試験走っています。

治験成分記号対象疾患治験届出者名
BGB-3111            幹細胞移植非適応の未治療マントル細胞リンパ腫コーヴァンス・ジャパン株式会社
BGB-5-FU            切除不能、局所進行再発性又は転移性食道扁平上皮がんパレクセル・インターナショナル株式会社
BGB-A317            手術不能な局所進行性又は転移性の胃腺癌又は食道胃接合部腺癌の患者IQVIAサービシーズ ジャパン株式会社
BGB-A317            切除不能HCC (BCLC ステージBまたはC)パレクセル・インターナショナル株式会社
BGB-A317            進行性切除不能/転移性食道扁平上皮がんパレクセル・インターナショナル株式会社
BGB-A317            切除不能、局所進行再発性又は転移性食道扁平上皮がんパレクセル・インターナショナル株式会社
BGB-Cisplatin       切除不能、局所進行再発性又は転移性食道扁平上皮がんパレクセル・インターナショナル株式会社
https://www.pmda.go.jp/review-services/trials/0019.html 薬物の主たる治験情報リスト(Excelファイル)より抜粋

詳細は下のリンクをご参照ください。また、PDFファイルはDL可能です。

この協同パイプラインで気になったのですが、商権の対象国がどこも日本以外となっています。

日本への販売は全てノバルティスに渡していくのでしょうか。それとも、日本だけ外していく…?

日本企業とのパートナー

現在はなし。 [2021年7月9日追記]BeiGene Japan合同会社が2021年1月22日に東京都世田谷区にて設立されていることを確認しました。今後、日本の合同会社を中心に日本へ進出していくことが予想されます。

Tislelizumabについてですが、2021年1月にノバルティスが日本、北米、欧州の開発・販売権を取得しました。
中国以外での承認申請は2021年中と予測されています。

ベイジーンのパートナー一覧は以下。

  • Amgen(アムジェン)
  • Novartis(ノバルティス)
  • Mirati Therapeutics
  • MEI
  • Zymeworks
  • Ambrx
  • BioAtla

詳細はこちらから。

株価チャート

TradingView提供のBGNEチャート

急成長している一方で、10年赤字というベイジーン。

パイプラインや臨床開発の状況を見ると、多額投資を行っている一方で、まだ挽回は出来ていないようです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、Beigeneについて紹介しました。

まだ、日本ではオフィスを設けていないにも関わらず、日本でも積極的に治験を行うなど日本進出の動向が気になるところです。

オプジーボを超えるかは、正直今後のグローバル治験の結果次第ではないかと推測されます。

まだ中国市場でしかメインで上市をしていませんが、パートナー企業も大きな製薬会社ですので、
今後世界中でシェアを更に伸ばしていくかもしれないですね。

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